トレーナー関連の資格を1つも持っていなくても、パーソナルジムを開業することは可能です。ただし、お客さんからの信頼を獲得して安定的なジム経営を行うためには、何らかの資格を持っていたほうが有利になるでしょう。
ここでは、パーソナルジムを開業予定の方に向け、取得しておいたほうが良い資格を一覧でご紹介しています。
ジム開業に特別な資格はいらないが…
ジム開業に特別な資格は不要です。ただし、安定経営のためには、できればパーソナルトレーナー関連の資格を取得しておいがほうが良いでしょう。
物件を用意すれば簡単にジム開業ができる
税理士や美容師などのように、開業にあたり資格取得を前提とする職種は多々ありますが、パーソナルジムに関しては、特別な資格を持っていない人でも開業が可能です。
開業方法はいたって簡単で、ジム運営の準備ができたら税務署へ「開業届」を提出するのみ。都道府県税事務所や消防署などへの書類提出が必要となる場合もありますが、いずれの手続きもシンプルなので、1日あれば十分に開業手続きが完了します。
実力は目に見えないが資格は目に見える
ジムの開業自体は非常に簡単ですが、たとえ開業したとしても、順調に集客・経営ができるとは限りません。パーソナルトレーナーとして、一定の経験・スキル・知識を持たない人がジムを開業しても、むしろ早々に破綻する可能性が高いでしょう。
また、たとえ一定の経験・スキル・知識を持っていたとしても、それらはお客さんの目に見えないもの。パーソナルトレーナーとしての実力を「お客さんの目に見える形」にするためには、トレーナー関連の保有資格をアピールすることが大変有効です。
ジムの経営に役立つおすすめの資格一覧
パーソナルジムの経営に役立つおすすめの資格をご紹介します。
JATI-ATI
JATI-ATIは、日本トレーニング指導者協会(JATI)が発行しているトレーナー資格です。トレーナーをはじめ、トレーニングに関わる人全員がスポーツや健康づくりを通じ、社会貢献へと繋げることを目的に設けられた民間資格になります。
受験の条件は、高卒以上で業界経験3年以上の方。また、同協会が開催する計4日間の講習会に参加することも受験の条件となります。
試験内容はマークシートのみ。実技は課されません。
NSCA JAPAN|NSCA-CPT
アメリカに本部のある全米ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)の日本支社が発行しているトレーナー資格。パーソナルトレーナーとしての専門スキルを認定する民間資格になります。
受験に際して業界経験は問われませんが、満18歳以上であること、NSCA日本支社の会員であること、高卒以上・高卒見込みであることなど、受験にはいくつかの条件があります。
NSCA JAPAN|CSCS
上記と同じNSCA日本支社が発行しているトレーナー資格。一般的なトレーナーとしてのスキルの他、チーム全体のパフォーマンス向上に関する専門知識も求められる資格です。
施設運営や管理系の専門知識も必要となるため、パーソナルジムの運営にあたり役立つ知識も多く身に付けられるでしょう。
受験に際しては、NSCA日本支社の会員であること、4大卒以上(卒業見込みを含む)であることなど、複数の条件を満たす必要があります。
NESTA JAPAN|NESTA-PFT
アメリカに本部のある全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)の日本支社が発行しているトレーナー資格。PFT(パーソナルフィットネストレーナー)の名の通り、パーソナルトレーナーのスキルを認定する資格になります。
受験に際しては、NESTA日本支社などが発行するテキストを購入済であること、18歳以上かつ高卒以上(卒業見込み含む)であること、CPR・AEDに関する定期的なトレーニングを行っていることなど、いくつかの条件を満たす必要があります。
NSPA|NSPA-CPT
アメリカとイギリスにあるトレーナー指導者育成団体・NSPAが発行しているトレーナー資格。CPTとは、パーソナルトレーナーを意味します。一般的なパーソナルトレーナーとしてのスキル・知識はもちろんのこと、スロートレーニングなどの実践的なスキル・知識も問われる資格です。
受験するためには、2日間の基礎講習を受講すること、最終講習を受講すること、講習後の認定試験に合格することなど、いくつかの条件を満たさなければなりません。
FCM技能検定
一般社団法人日本フィットネス産業協会が認定するフィットネス施設関連の専門資格。トレーナーとしてのスキルよりも、店舗運営や経営に関する知識を問う資格なので、パーソナルジム開業をお考えの方は、ぜひ注目してみたい資格になります。
資格の種類はレベル別に3級、2級、1級の3種類。1級では人材戦略やリスクマネジメントなど、かなり高度な経営知識が問われます。
アスレティックトレーナー
アスレティックトレーナーは、日本スポーツ協会が発行している民間資格。健康管理、けがの予防、応急処置、リハビリテーションなど、トレーニングに関連する医学的な知識・技術が問われる資格になります。
資格を取得することで、お客さんの安心感や信頼感に繋がるでしょう。
他にも、理学療法士や柔道整復師などの国家資格があれば、一層お客さんの信頼に繋がります。ただし、これらの国家資格を取得するためには、専門の学校で数年間学んだ上で試験に合格する必要があるため、すぐにでもジムを開業したい方には向いていません。ジム開業をお考えの多くの方には、上記でご紹介した民間資格の取得を目指すようおすすめします。
取得した資格をアピールすることも忘れずに
取得した資格をジム経営へ活かすためには、保有資格をお客さんにアピールすることが大切です。せっかく取得した資格を宝の持ち腐れにしないよう、以下のような方法で積極的にアピールしてみてください。
トレーニングジムに資格証明書を掲出する
一般的に何らかの資格を取得すると、表彰状のような資格証明書が交付されます。資格証明を手にしたら、これを額縁などに入れてお客さんの目につきやすい場所に掲出しましょう。
複数の資格を取得した場合には、すべての資格証明書を掲出します。
受付やカウンセリングスペースなどに掲出すると、入会を検討中の方への強いアピール材料となります。
公式HPに資格証明の画像をアップする
開業にあたり公式HPを開設する場合、トレーナー自身の自己紹介の中へ保有しているすべての資格証明書の画像をアップしましょう。
各資格の内容(どのようなスキルが証明される資格か)についても、簡単な説明を加えておくと良いでしょう。
チラシにも保有資格を一覧で掲載する
ジムのチラシを作成する場合には、チラシの中にも保有資格一覧を掲載しましょう。
ポスティング用のチラシ、駅前等での配布用のチラシ、新聞折込チラシ、看板に設置したテイク・フリーのチラシなど、すべてのチラシに保有している資格を掲載します。
【まとめ】資格を取得して集客・安定経営に繋げましょう
ジム開業にあたり、特別な資格はいりません。
ただし、パーソナルジムのサービスがトレーニング指導であり、お客さんはトレーナーの見た目だけでサービスの質を判断できない以上、何らかの資格を取得しておいたほうが信頼につながるでしょう。
十分な経験・スキル・知識のあるトレーナーならば、上でご紹介した資格を取得することは、さほど難しくありません。ぜひ資格を取得して見込み客へアピールし、集客と安定経営に繋げていきましょう。