パーソナルトレーナーとして儲かるためには個人事業主になるべき?

ジムの社員・契約社員として働くパーソナルトレーナーは、会社の一員である以上、稼げる収入に限界があります。一方で、個人事業主として独立開業したパーソナルトレーナーは、経営に成功すれば収入に上限がありません。

この理屈を根拠に独立開業を目指すパーソナルトレーナーも少なくありませんが、実際には、稼げる人と稼げない人に分かれてしまうのが実情です。独立しなかったほうが稼げた、という人も多いでしょう。

ここでは、働き方によるパーソナルトレーナーの年収の違い、および、独立開業して成功するパーソナルトレーナーの特徴について解説しています。

パーソナルトレーナーの年収イメージ

パーソナルトレーナーには、様々な働き方があります。
以下、働き方別で、パーソナルトレーナーの平均的な年収をイメージしてみましょう。

正社員・契約社員の年収

正社員・契約社員の平均年収は、概ね350万円と言われています。
基本給に加えてインセンティブが付与される会社も少なくありませんが、インセンティブを多く稼ぐ正社員トレーナーの中には、年収1,000万円を超えるツワモノもいるようです(かなり例外的な存在となります)。

業務委託された個人事業主の年収

個人事業主として独立し、既存のジムで業務委託されて働いているパーソナルトレーナーの平均年収は、概ね400~600万円と言われています。
比較的高給ですが、完全歩合給のジムから業務委託された場合、閑散期では年収200万円程度になることもあるようです。

フリーランスとして働く個人事業主の年収

個人事業主として独立し、顧客と直接契約しているフリーランスのパーソナルトレーナーの平均年収は、概ね400~600万円と言われています。
契約相手次第では、より高い年収を狙うこともできるでしょう。

パート・アルバイトの年収

ジムでパート・アルバイトとして働くパーソナルトレーナーの場合、仮に週2~3日の勤務とすれば、平均年収は100万円程度でしょう。
時給に加え、インセンティブ制度を設けているジムが大半です。

独立開業した個人事業主の年収

個人事業主として自分のジムを構えたパーソナルトレーナーの場合、集客状況により年収は大きく異なります。

仮に「1クール16回20万円×年間60人」とすれば、年間の売上は1,200万円。ここから家賃や水道光熱費などの固定費・ランニングコストが差し引いた分が、パーソナルトレーナーの年収となります。

稼げないパーソナルトレーナーもいる一方で、年収1,000万円を超えるパーソナルトレーナーも決して珍しくありません。

独立開業して成功するパーソナルトレーナーの特徴

たとえ独立開業しても、成功する人と成功しない人がいることは事実。成功する人の背景には様々な要素がありますが、多くの成功者には、以下の点で共通している傾向があります。

人柄が良くて清潔感がある

パーソナルトレーナーに限らず、あらゆる商売に共通する要素ですが、稼げる個人事業主は、往々にして明るくて温和な人柄の持ち主です。パーソナルトレーナーに関しては、清潔感もあれば一層お客さんからの印象が良くなるでしょう。

褒め上手

お客さんのわずかな成長も見逃さず、常に前向きな声掛けをするパーソナルトレーナーが指導してくれれば、お客さんの気持ちも上がります。自分の努力を認められて嫌な気持ちになるお客さんはいません。

継続的に集客活動を行っている

トレーナーとしての実力さえあればお客さんが自然に集まってくる、という考え方は間違い。稼げるパーソナルトレーナーは、SNSやブログ、公式HPのキャンペーン情報などを頻繁に更新するなど、継続的な集客活動を怠りません。

ターゲット層が明確

稼げるパーソナルトレーナーは、「ダイエット目的の女性」「健康維持が目的のシニア」「大会出場を目指すマッチョ」等々、顧客のターゲットを明確にしている傾向があります。

常にニーズ把握のためのアンテナを張っている

優れたパーソナルトレーナーは、自分のアイディアや価値観に基づいてジムを運営しているのではなく、市場のニーズに合わせて運営方針を決めている傾向があります。

リピーターを増やすことに熱心

新規顧客の開拓に比べれば、過去のお客さんの掘り起こしのほうが営業的には効率的です。稼げるパーソナルトレーナーは、リピーターを増やす活動を熱心に行っています。

トレーニング以外の周辺知識が豊富

トレーニングに関する知識のほかにも、栄養学や解剖学などの周辺知識が豊富なパーソナルトレーナーは、お客さんからの信頼が厚くなります。「シンプルなトレーニングでも、様々な根拠に基づいてセレクトしてくれているんだな」という安心感につながるでしょう。

【まとめ】お客さんとの接点のすべてを将来の自分の糧とする

雇われパーソナルトレーナーに比べると、独立開業したパーソナルトレーナーのほうが、稼げるチャンスは広がります。ただし、すべての人が独立開業すれば稼げるようになるわけではないことも、十分に理解しておかなければなりません。

独立開業して稼げるようになるためには、パーソナルトレーナーとしての経験やスキルも重要ですが、人柄や集客活動、トレーニング以外の知識なども大切な要素。やや大げさですが、人間としての総合力が収入を左右すると言って良いかもしれません。

将来の独立開業を目指している現・雇われトレーナーにとっては、日々のクレーム処理やお客さんからの理不尽な要求なども含め、すべての活動が勉強になります。将来の成功に向け、毎日のお客さんとの接点を自分の大切な糧として蓄積していきましょう。