パーソナルジムの開業資金はいくら?調達方法とは?

パーソナルジムを開業するためには、開業資金と当面の運転資金を用意する必要があります。自己資金ですべてのコストをまかなえれば理想的ですが、多くの場合、外部からの資金調達が必要になるでしょう。

パーソナルジムの開業資金の目安、および、資金調達の方法についてご紹介しています。

パーソナルジムの開業資金の目安

パーソナルジムの開業資金の目安は、概ね150~1000万円です。
最低150万円程度があればミニマムなパーソナルジムを開業することは可能ですが、本業として本格的にパーソナルジムを運営していきたいのでしたら、最低でも500万円ほどの資金を用意する必要があるでしょう。
パーソナルジムの開業資金の目安として、初期投資に要する資金、および、当面の運転資金について確認します。

初期投資に要する資金の目安

初期投資に要する資金には、大きく分けて「物件取得費」「内装・設備費」「マシン代」の3種類があります。

物件取得費

物件取得費とは、ジムを運営する物件の賃貸契約の際に掛かる費用です。具体的には、敷金・礼金・不動産仲介手数料・1~2か月分の家賃が掛かります。
敷金・礼金の額は物件オーナーの意向により異なりますが、物件取得費全体の相場は、概ね家賃の6か月分とされています。月の家賃が30万円の物件でしたら、物件取得費は180万円ほどとイメージしておけば良いでしょう。

内装・設備費

内装・設備費とは、壁紙・クロスの張り替え工事や空調工事、給排水工事などに掛かる費用です。居抜き物件を利用すれば費用を抑えられますが、そうでない場合には、合計350~550万円程度の費用が掛かるでしょう。

マシン代

業務用マシンを導入する場合には1台あたり50~150万円、家庭用マシンを導入する場合には1台あたり15~50万円が目安です。
パーソナルトレーニングジムの場合、家庭用マシンでも十分に運営が可能ですが、量販店や通信販売などで売られている1台数万円の安価な家庭用マシンを選ぶことはおすすめできません。軽くて安定感がなく、利用者が転倒しケガをする恐れがあるからです。

当面の運転に要する資金の目安

パーソナルジムに限らず、どのような業種であっても、一定数のお客さんが安定的に利用するまでの間、赤字が続きます。3か月ほどは赤字が続くものと想定し、当面の運転資金も開業費の一部として考えておくべきでしょう。
運転資金の主な内訳は次の通りです。

家賃

初月の家賃は賃貸契約時に支払っているため、加えて2か月分くらいの家賃は当面の運転資金として確保しておいたほうが良いでしょう。

人件費

地域の人件費相場にもよりますが、フルタイムのトレーナーを雇う場合、運営側における健康保険料等の負担も含め、一人月額25万円ほどは必要となるでしょう。

水道・光熱費

ジムの規模にもよりますが、月額4~5万円程度は掛かると想定されます。

広告費

ネットや紙媒体の有料広告を打つ場合、月額で約10~15万円ほどが必要となるでしょう。SNSなど、無料で利用できる媒体を通じて宣伝を行えば、ある程度は有料広告の費用を削減できます。
オープン当初はジムの認知度拡大が極めて重要となるため、積極的に広告宣伝活動を行いましょう。

開業資金の調達方法

開業資金の全額を自己資金、または親などからの援助などでまかなえるなら理想的ですが、金額が大きくなることから、多くの場合は外部からの資金調達が必要となるでしょう。
開業資金の主な調達方法を解説します。

日本政策金融公庫の融資を受ける

開業資金を調達する際の最もオーソドックスな窓口が、政府系の日本政策金融公庫です。新規開業を行う方々に向け、比較的低金利で融資を行っています。もちろん、パーソナルジムの開業も融資の対象です。
銀行に比べると融資基準は緩めですが、一定の基準を満たしていない方は審査に落とされることもあるので、融資申し込みの際には十分に準備しておく必要があります。

銀行・信用金庫の融資を受ける

銀行や信用金庫に融資を受ける方法もありますが、日本政策金融公庫に比べて審査が厳しいと理解しておきましょう。
過去にジムの勤務経験がないまったくの初心者が融資を申し込んだとしても、一定の自己資金(担保を含む)を持っていない方は審査で落とされる可能性があります。

自治体の補助金制度を利用する

新規開業する方々に向けて補助金制度を用意している自治体もあります。お住まいの自治体の制度を確認してみましょう。
例えば東京都の場合、創業助成金という名で最大300万円の補助を受けられる制度を用意しています(2023年6月時点)。

フランチャイズ本部の資金援助を受ける

パーソナルジムのフランチャイズ本部の中には、フランチャイズに加盟した方に対し開業資金の一部を援助する制度を用意しているところもあります。
自己資金が不足している場合には、資金援助制度のあるフランチャイズでの開業も選択肢に入れた方がよいかもしれません。

【まとめ】規模やこだわりにより必要資金の額は大きく異なる

パーソナルジムの開業資金の目安、および、資金調達の方法についてご紹介しました。

パーソナルジムの開業に要する資金は、ジムの規模やマシン・内装などのこだわりにより大きく異なります。まずは、ご自身が運営したいパーソナルジムをしっかりとイメージし、その上で必要な資金を具体化していきましょう。
想定以上の資金が必要となりそうな場合には、各種の優先順位を考慮した運営計画・資金計画の練り直しが必要となります。