パーソナルジムは、マンションの1室でも開業できます。
ただし、すべてのマンションで開業できるわけではなく、特に住宅用マンションの場合には開業が許可されないケースも少なくありません。開業に際してはマンションの管理規約などを確認し、あらかじめパーソナルジムの開業が可能かどうかを確認しておく必要があります。
ここでは、マンションの1室でパーソナルジムを開業する際に注意しておきたいポイント、およびテナントで開業する場合との違いを解説しています。
マンションで開業する際のポイント・注意点
マンションの1室でもパーソナルジムは開業できます。開業に際しては、以下でご紹介するポイント・注意点を押さえておきましょう。
パーソナルジムを開業できるマンションを選ぶ
マンションでパーソナルジムを開業するということは、マンションを商業利用するということになりますが、商業利用が認められていないマンションも多いのでご注意ください。
商業利用できるマンションかどうかは、契約に先立ってマンションオーナーの意向や管理組合の規定を確認しておく必要があります。また、商業利用が可能なマンションであっても、騒音や人の出入りが多い事業は開業できない場合がある点にも注意が必要です。
マシンの重さに耐えられるマンションを選ぶ
一般的なマンションの耐重量レベルは1㎡あたり約180kgですが、重量のあるマシンを設置する場合には、マシンを使用する会員の体重も加算した上でマンションの耐重量レベルを確認しておく必要があります。
敷板を使えば多少は重量を分散させることができますが、可能な限り耐重量レベルの高いマンションを選んだほうが良いでしょう。
天井が高いマンションを選ぶ
パワーラックなど、ある程度の高さが必要となるマシンを導入する場合には、マンションの天井高を確認しておく必要があります。ちなみにパワーラックの場合、概ね2.5m以上の天井高がなければ懸垂できません。
また、マシンの中には初めから組み立てられているタイプもありますが、組み立てられたマシンのサイズが大型の場合、マンションのドアや特定の部屋に搬入できない恐れもある点に注意しましょう。
一般的なマンションのドアの横幅は70~80cmです。上下左右、どのように角度を変えても80cm以上の幅となる組立済みのマシンは、基本的にマンションへ搬入できないと考えておきましょう。
防音性の高いマンションを選ぶ
パーソナルジムとしての商業利用が認められているマンションであっても、隣接する部屋を利用している方々に対し、騒音・振動で迷惑をかけないよう注意する必要があります。
仮に周囲の部屋の方々から騒音・振動のクレームが入った際、「パーソナルジムとしての商業利用は認められている」と正論で対抗したとしても、退去は命じられないまでも周辺との関係が不穏になることは避けられません。
無用なトラブルが起こらないよう、初めから防音性の高いマンションを選ぶ、開業前に工務店へ防音工事を依頼する、などの対策を考えておいたほうが良いでしょう。
アクセスの良さと家賃とのバランスを考える
駅や住宅街からのアクセスが良いマンションであれば、利便性が良い分、集客もしやすいでしょう。
ただし、利便性の良いマンションは家賃が高くなる傾向があります。集客を重視するあまり収支バランスが崩れては本末転倒なので、アクセスと家賃のバランスを考慮したマンションを選びましょう。
内装の自由度でマンションを比較する
商業利用が可能なマンションであっても、内装を自由に変えられる物件は多くありません。とは言え、普通の住宅のような空間のまま開業することも、どこか味気ないように感じます。
パーソナルジムらしい雰囲気を演出できるよう、マンションを探す際には、内装の自由度が高い物件を選ぶことをおすすめします。
看板を設置できるかどうか確認する
一般的に、マンションのベランダ部分や入口部分に看板を増設することは難しいと考えましょう。ただし、マンションによっては、入口のドアに屋号を冠したプレートを貼ったり、共用部に小さな立て看板を設置したりすることが認められていることもあります。
マンションを探す際には、看板に関する規定も確認しておきましょう。
マンションとテナントのどちらを選ぶべきか?
集客力のあるエリアで開業し、かつ、トレーナーに実力・実績があるのでしたら、マンションで開業してもテナントで開業しても集客率に大きな差は生じないでしょう。マンションとテナントのどちらを選ぶべきかは、開業するトレーナーの考え方次第です。
例えば、内装にこだわりたい方や多くのマシンを導入したい方なら、マンションでは限界があるためテナントのほうが適しています。一方で、低コスト・低リスクで開業したいなら、より初期投資資金・運転資金が低いマンションのほうが適しているでしょう。
どちらを選ぶべきか結論が出ない方は、まずマンションを選んでスモールスタートし、事業が軌道に乗ってきてからテナントでの運営を検討してみても良いのではないでしょうか。
【まとめ】マンションで開業して成功しているトレーナーは大勢いる
マンションでパーソナルジムを開業する際のポイントや注意点、および、テナントで開業する場合との違いについて解説しました。
マンションでパーソナルジムは開業できます。また、実際にマンションでパーソナルジムを開業し、事業を成功させているトレーナーも大勢います。
開業にあたりいくつかの注意点もありますが、十分に注意点を踏まえて慎重に物件選びをすれば、あなたにも大きな成功のチャンスが巡ってくるかもしれません。